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「吟醸の満寿泉」が醸す本格辛口料亭酒 桝田酒造「満寿泉 通」

桝田酒造の満寿泉と言えば富山を代表する吟醸酒。華やかな吟醸香と芳醇な甘みとキレのバランスが特徴的。しかし富山県は元々は端麗辛口な酒処。むろん満寿泉もキレのある辛口酒を昔から販売している。
その辛口酒の中でも、蔵元の近くにある白エビ料理で有名な料亭「松月」用に造られた辛口酒が「満寿泉 通」である。
桝田酒造も松月も富山の海沿いにある岩瀬に居を構えている。岩瀬は古くは北前船で栄えた町。その港町にある松月は明治の創業以来、白エビをメインとした新鮮な磯料理で有名であったが、その磯料理に合う日本酒として「満寿泉 通」は造られた。
そのため当初は市場では流通しておらず松月でしか飲めない幻のお酒であったが、近年は酒屋でも流通するようになった。
富山県内にある全国チェーンの「やまや」や、満寿泉の特約店等で取り扱っているので、気軽に買えるようになった。
なお、名前の由来は、富山七大河川飲んで一つである「神通川」と「酒に通じている(酒通)」から「通」と名付けられたと勝手に解釈しているが、ご存知の方がいればご教示いただけると幸いである。

肝心の飲み口だが、冷酒で飲むと、吟醸酒とは異なる硬派な辛みとアルコール感が強く感じられる。芳醇な甘口のお酒に慣れていると最初はパンチが強いお酒に感じられるが、飲み続けていくと程良い辛さとキレに慣れ、サッパリとした端麗な日本酒に感じられる。
辛みやキレが強すぎないので(純米酒吟醸に比べれば強く感じはするが)、刺身や冷ややっこ等に合う食中酒だ。
辛口なので燗にして飲むとさらにアルコール感と辛さが増すので、強めのアルコール感を求める酒飲みにはピッタリな日本酒だと思う。個人的にはぬる燗程度にする方が、辛みが強くならず若干酒の風味が増したように感じられるので、燗で飲むときは温めすぎないようにしている。
価格は720mlで1,300円と純米酒吟醸酒並みの価格だが、酒好きなら一度は飲んでみるべき日本酒だ。芳醇で華やかなお酒も無論良いが、やはりアルコールがキツイ酒を飲んでベロベロに酔うのもまた日本酒の醍醐味。
思わず「あ~、辛れーな~」とか「この酒、きっついな~」と言ってしまうのが日本酒の原点ではないだろうか。言葉使いが違うが「清酒」といえばそんなお酒を指していたような気がする。
まあ、あまりキツイ日本酒は好かれない世の中になってきたと思うが、「満寿泉 通」はさすがに「吟醸の満寿泉」が造るだけあって綺麗で端麗な辛口酒に仕上がっているので、普段辛口酒を飲まない人でも美味しく飲める日本酒だと思う。

もう少しで2019年、令和元年も終わりを告げる。
30代になってからは人気の高い吟醸酒を求めてばかりだったが、令和は「通」な辛口のお酒で新しい日本酒ライフを開拓したいと思う。

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