前回ふるさと納税で購入できる御祖酒造の遊穂純米吟醸2種セットの「山田錦50」を紹介したが、今回はもう一本の純米吟醸酒「山田錦・美山錦55」の口開けレビュー。
「山田錦50」は全量山田錦を用いた精米歩合50%の吟醸酒だったが、「山田錦・美山錦55」は麹米に山田錦25%・掛米に美山錦75%を使用し55%まで磨いた酒米で醸造。
一般的に吟醸酒といれば山田錦のイメージがあると思うが、美山錦も香りが良くふくよかな風味が特徴。耐冷性があることから北陸や東北等の東日本・北日本での栽培が多く、北陸の酒でも使われる酒米。
山田錦とのブレンドがどの様な吟醸酒を醸し出すのか楽しみ。ちなみに今回の「山田錦・美山錦55」も酒造年度は29年度。このお酒は醸造後、光にあてずに蔵で熟成させ出荷しているので、だいぶ落ち着いたお酒になっているかもしれない。
今回も冷蔵庫で冷やして冷酒でいただく。
口に含むと妖艶な甘みと柔らかい酸味が広がる。そして後口に感じられるほのかキレ。
酸味は後口まで風味が残り、辛みと相まって爽やかなキレとなっている。
クリームチーズの様な甘みと旨味が最初に広がり、後口の爽やかなキレが芳醇な甘みをキリっとさせ、上品で飲み心地の良い純米吟醸酒となっている。
蔵元によると、「デキャンタをし空気に触れさせることで味わいが増す」とのことだが、確かに徳利に入れて少し時間を置いた方が、口開け時よりも風味の印象が強まった(むしろ口開け時は風味が弱かった)ので、このお酒を飲む時は徳利に注いで時間の経過で変化する風味や香りを楽しみながら飲むと面白いと思う。
個人的には「山田錦50」よりも「山田錦・美山錦55」の方が甘み・酸味・辛味のバランスが良く芳醇で好みだった。
ブリやマグロ等の脂が乗った刺身でも、冷奴等のサッパリした物でも相性が良かったので、これから脂が乗りだす海の幸と合わせると面白いお酒だと思う。
4合瓶でも1,600円程度と手頃な吟醸酒なので、これから食べ物が美味しくなる季節に飲んで欲しい一本だ。
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