昨年の10月にメイン端末を「AQUOS sense3plus」から「AQUOS sense7」へ機種変更した。
AQUOS sense7は、メインカメラが「1/1.55センサー・5050万画素」に進化し、RAMも6GBと現在のスマホとしては最低限の容量となったことから、ゲーム等の処理が重いアプリを使用しない自分には普段使いとしては十分な性能の端末になっていたのだが、一方でCPUがスナドラ695であったことから、以下の不満点があった。
【sense7の不満点】
- 動画撮影は4K撮影が出来ず、手振れ補正もフルHD30FPSまでしか対応していない。
- 動画視聴でHDRに対応していない。
- スピーカーがモノラル
- 操作感が旧式のスナドラ865端末よりもモッサリしており、応答が若干遅い。
- ディスプレイのリフレッシュレートが60㎐。
個人的には動画の撮影・視聴部分の不満足感が強く、花火やパレードを動画撮影する時に「もう少しキレイに映ればなあ~」と感じ、結局サブで使っているXperia5 ⅱで撮影をしていが、出来れば1台のスマホで完結したいところ。
そんな不満をふつふつと感じていたところに、AQUOS sense8が発表された。
基本的には外観やカメラのハード部分は据え置かれておりマイナーアップデート版に見受けられるが、見事にsense7の不満点が解消されているじゃなかいか!
昨年、2025年まではセキュリティアップデートが保証されているsense8を59,500円で買ったにもかかわらず、59,800円(発売日から1か月は各キャリアで5000ポイント還元あり)のsense8を迷うことなく購入してしまった。
結論から言うと、sense7ユーザーで写真や動画にこだわりが少ない人なら買い替える必要はないと思う。一方でsense6以前の端末ユーザーや他メーカーのミドルスペックスマホを使用している人は、ミドルスペックとしては高水準なカメラやディスプレイが利用できるので買い替えしてもよいだろう。
今回はUQモバイルのsense8(SHG11)を購入したので、そちらのファーストインプレッションを参考にしてもらえればと思う。
(ちなみにau・UQモバイルのsense8はオンラインショップ限定販売となっている)
sense8背面 アルミフレーム仕上げとなっている。
sense8側面 電源キーと指紋認証装置が一体型となっている。
左:sense7、右:sense8 デザインは見事なまでに同一。
❚カメラ性能
センサーサイズ | 画素数 | F値 | 手ブレ補正 | |
標準 | 1/1.55 | 約5,030万 | 1.9 | 光学式・電子式手振れ補正 |
広角 | 1/4.0 | 約800万 | 2.4 | 電子式手ブレ補正 |
インカメラ | 1/4.0 | 約800万 | 2.0 | 電子式手ブレ補正 |
カメラスペックはsense7と同じセンサーを使用している。
しかし、手振れ補正が「電子式手ブレ補正」から「光学式手ブレ補正(静止画)/光学式・電子式手ブレ補正(動画)」にアップデートされた。
sense7では撮影のたびにフォーカスに時間を要していたが、光学式手ブレ補正の影響で(後述するスナドラ6Gen1の処理性能やISP性能の向上もあるだろうが)夜間のフォーカスが早くなった。
望遠についてはセンサー中央部の画素を切り出すことで望遠2倍相当の画質を担保する仕様(Xperia5 Ⅴと同様の仕様)となっているが、sense7のズーム2倍と比較すると解像感が高い仕上がりになっている。
写真については風景画ではフォーカスが早く正確に合うようになった上、より自然な色合い(特に照明下等の光源の影響が強い場面)だが、料理等の近距離での物撮りではフォーカスが合いにくく撮影が難しい。センサーサイズが比較的大きいため最短撮影距離が長くなるのは仕方ないが、少し離して撮影しないと被写体全体にフォーカス出来ないのは難点だ。しかし全般的には高精細で自然かつ少し補正が入ったビビットな色合い仕上がりになり、ミッドレンジとしては十分過ぎる性能だと思う。
超広角カメラもsense7から据え置きとなっており、画素数やセンサーサイズが小さいため標準カメラと差が大きいが、sense7と比べると解像感が高くなった様だ。
動画については4K撮影(30FPS)をサポートしており、手振れ補正もあるのがありがたい。
解像感が高くブレも少ないのでより精細な動画が日中夜間を問わず撮影できるが、暗い個所や光源下については色飛びや解像感が減少する場合があるのが惜しい。
しかし、iPhoneでも同様なのでスマホの動画撮影としては十分な性能にアップデートされたと思う。
【写真作例】
❚ディスプレイ
サイズ(6.1インチ)や解像度(フルHD+)、輝度(最大1300nit)についてはsense7から据え置きとなっているが、ようやくAQUOS senseもリフレッシュレートが60㎐からアップデートされ90㎐になった。
個人的には90㎐ではそんなに変わらないかなと思っていたが、使ってみるとヌルサク感が向上している。Xperia5 ⅱは120㎐対応しているがそれと同様な使用感で、絶対に必要な性能ではないが、一回体験するとやめられない仕様だ。
なお、黒画像を挿入することで疑似的な180㎐にもできるが、こちらはゲーム等の高リフレッシュレートが必要なアプリがないため、自分はブラウザやSNS使用では90㎐との差は感じることが出来なかった。
なお、sense7は黒色表示が汚い場合があったのだが、sense8では引き締まったビビットな色合いとなっており、ディスプレイは全体的に美麗な仕上がりになっている。
また、6Gen1を搭載したことによりHDR視聴も可能になった。個人的にはコントラストが強めに感じられるが、リフレッシュレートの向上とも相まって華麗な映像となっている。
❚SoC
これまでAQUOS Sense6s/7と二世代にわたってスナドラ695だったが(2022年~2023年に発売されている他社ミドル機もほぼ695)、sense8はスナドラ6Gen1と新シリーズとなった。
手持ちのスマホでGeekbench5のベンチマークを比較した結果は以下となった。
コア | スコア(シングル) | |||
Pコア | Eコア | シングル | マルチ | |
6Gen1 (sense8) |
2.2 GHz(4コア) | 1.8GHz(4コア) | 703 | 2362 |
695 (sense7) |
2.2 GHz(2コア) | 1.7GHz(6コア) | 649 | 1781 |
865 (Xperia5ⅱ) |
2.84 GHz(1コア) 2.42 GHz(3コア) |
1.8GHz(4コア) | 859 | 3039 |
スナドラ695と比較すると、シングルではPコアの周波数が同じため同等のスコアだが、Eコア数が2倍になったためマルチでは30%程スコアがアップしている。
実際にsense8を使ってみるとカメラ撮影の操作・処理スピードが速くなっていたり、ディスプレイの画面操作がヌルサクになってはいるが、アプリの起動時間等ではsense7より劇的に早くなった印象はない。
むしろ2020年モデルのXperia5ⅱの方が起動が早い(スコアも上)。この辺りは最新シリーズと言えどミドルクラスのCPUに過度の期待をしてはいけないのだろう。
また、発熱が感じやすいのも気になるところ。今は気温が低い時期なので問題ないが、夏場の動画撮影時に発熱してアプリが落ちないか気になる。
とは言え、sense7も10分程ブラウジングしていると40度を超えていたので、sense8が劇的に発熱するわけではない。初回起動時の端末セットアップ(アプリのインストール等)でも42度程度だったので、ゲーム等の処理が重いアプリを使用しなければ問題なさそうだ。
❚Other
■バッテリー
バッテリーはsense7の4570mAhから5000mAhへ増加したが、実際に1日使用してみるとバッテリーの減り方はsense7使用時とほぼ同じだった。
恐らく6gen1は処理速度は向上したがその分電力効率が悪く、sense7と同等の稼働時間を確保するためにバッテリー容量を増やしたのかもしれない。
まあ、一日中使用していたりバックグラウンドで動くアプリを多用していない限り一日は軽く持つので、バッテリー持ちは悪くないと思う。
■生体認証
sense7と同様に顔認証(マスク対応)・指紋認証に対応している。
指紋認証はsense7では電源ボタンと指紋認証ボタンが分離していたが、sense8は一体型となった。認証速度はsense7と同じで認証精度も高くストレスなく使える。
一方で顔認証についてはsense7と比べると若干遅い気がする。個人的にはsense7の顔認証は早くて正確(他人の顔でも認証しそうではあるが…)で良く使用していたことから、顔認証については若干ストレスを感じたが、数回使っていくと慣れて気にならなくなったので、認証スピードとしては速くはないものの問題ないレベルだろう。
■デザイン/重量
デザインはsense7とほぼ同じで、フレームも引き続きアルミボディ。
プラ素材よりも高級感を感じられて個人的には好きなデザインだ。
サイズ感は153mm×71㎜×8.4㎜で、自分の手ではギリギリ片手操作が出来る大きさ。
重量は159ℊと軽くコンパクトモデルと言っていいだろう。
ただ気がかりなのがサイズ/重量ともにsense7とほぼ同じこと。
サイズが変わらない一方でバッテリー容量が大きくなり、カメラも光学手振れ補正を搭載したり等、部品点数の増加や大型化がされているであろうにもかかわらずサイズ感が変わらないことに対して、設計に無理が無いか、放熱構造に問題が無いか気になる。sense5Gの様なことが無ければよいのだが…
■サポート関連
AQUOSは2023年モデルの一部からアップデート期間を長期化するようになった。
OSアップデートは発売日から最大3回、セキュリティアップデートは発売日から最長5年間になり、購入してから5年間はセキュリティ面を懸念して最新機種に買い替えする必要はない。まあ、現状でも3年間のセキュリティアップデートを保証しているがたまにしかアップデートされないので、最後の5年目なんかは1~2回程しかアップデートされないかもしれないが、それでもサポート期間が短いよりは無論ありがたい。
❚まとめ
正直sense7から買い替えをしてそこまで大きな感激はないが、カメラ・ディスプレイ性能は十分あり、処理性能もゲーム以外の使い方なら問題ないだろう。サポート期間が5年となったこともふまえると、6万円前後のスマホとしては及第点の端末だとは思う。
Pixelと比較すると性能面では勝てない部分もあるが、最近は高価格帯(8万~11万)の端末になっていることを考えると、現状ではコスパが良いミドルレンジスマホではないだろうか。(最新の6Gen1搭載とは言え、このスペックなら5万前後で買いたいところだが…)
後はスピーカーがステレオなら良かったのだが、それ以外は普通に満足しているので今後5年間はメイン機種として使っていきたい。
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