グーグルから新OSのアナウンスがされてから3カ月での製品投入となり、他の国内外のメーカーがまだ本格的な投入を行っていない状況もから、各社の春モデルの中でも注目度が高い端末になるかと思う。
従来の携帯電話はハード・ソフトウェア両面ともに発売後にバージョンアップを行うことを念頭に置いていなかったため、新しい機能やサービスを享受するには最新の端末に機種変更していく必要があった。
だが、スマートフォンはハードを交換しなくともソフトウェアの更新により、新しいUI/機能/サービス等を利用することが可能となる「柔軟な拡張性」が一つの醍醐味であると思う。
その意味では、秋にAndroid 4.0端末の発表をしつつ、並行してユーザーにAndroid 2.3の端末購入を誘導している現在のキャリアの体制を考えると、少なくとも秋モデル以降のAndroid 2.3の端末はアップデートが行えないと損をした感じがする。
すなわち、「最新のOS・機能・サービスを享受したければ、常に最新の端末を購入しなければならない」のでは、スマートフォンの拡張性という醍醐味が薄れてしまうと思う。
以前、auのIS03を使用していた時も発売してから半年程度でOS環境としては陳腐化してしまった。
(あくまでもOSの陳腐化という意味であり端末として陳腐化したとの意味ではない。端末の利用スタイルよっては最新OSでなくとも十分に活用できる)
スマートフォンは新しい分野であり、技術や資金が集中投下されているので短いスパンで技術革新が進んでいくのは当然ではあるが、旧端末と新端末でスペック面等で大きな差が付き、旧端末に追随性がないのではやはり面白くない。
その点では、今回のシャープのアナウンスは、自分のスマートフォンがさらにバージョンアップできる(Android 4.0を必要としない人も当然いることとは思うが)拡張性を楽しめるという意味では非常に歓迎すべきことだと思う。
「ハイエンドモデル」とは何を指すのか。
現在はIS13SHを使用しているが、これはハイエンドなのだろうか。
そこで、各キャリアで提供されているAQUOS PHONEのスペックを見てみると、大体以下の3グループに分けられる。
①CPU:シングルコア1GHz、RAM512MB
②CPU:シングルコア1.4GHz、RAM512MB
③CPU:デュアルコア1.0~1.2GHz、RAM1GB
③については、恐らくアップデート対象だろうが、①と②はどうか。
ここで気になるのが、グーグルが考えているAndroid 4.0の動作条件だ。
一応はOS発表の際に、「前OSのリードデバイス(実証機)で動作するよう開発している」との説明をしている。
ITmediaの記事によると、上記の①でも動作するのではないかとの見方だ。
まあ、恐らくは「前OSのリードデバイス程度」というのは必要最低条件であり、実際には快適に動作しない、または機能制限があるのかもしれない。そのためバージョンアップしたらむしろ動作が不安定なった、なんてことも考えられる。、また、端末スペックが動作条件を満たしていても、利用しているアプリが4.0に対応していないケースも想定される。
それを考えたら、そもそもそこまでしてアップデートを行う必要があるのかという根本的な問題、すなわち「端末の拡張性」が必要不可欠ではないという考え方も出てくる。
実は、ここまで偉そうにこんなことを書いてはいるが、自分自身はスマートフォンを従来の携帯電話と変わらない使い方をしているので、実際、Android 4.0になったところで利便性や利用法が劇的に変わるわけではないと思う。
ただ、UIが変わったり操作性が向上することは、単純に気分が良いものであり(最新技術に触れているという自己満足が満たされれる)、それだけでもスマートフォンを利用している意味があると考えている。
実際、どの端末がアップデート対象かはシャープの発表を待たなければならないが、せっかくだから自分の端末が対象になることを祈りたい。