10月22日は「即位礼正殿の儀」のため祝日だったが、各自治体では文化施設等が無料開放されていた。
石川県でも21世紀美術館等が無料開放されていたが、せっかくの機会なのでこれまで足を運んでいなかった「鈴木大拙館」に行って来た。
鈴木大拙館は21世紀美術館近くにあるので、美術館の有料駐車場に駐車して大拙館に行こうと思ったのだが、開園時間10時頃に21世紀美術館に行くとすでに駐車場は満車となっており、館内は入館待ちの長蛇の列が…。実は22日が無料開放日と知らず先週21美に行っていたので今回は行く予定はなかったのだが、休日の無料開放デーはえぐいほど人が集まるんだなと感心しつつ、仕方ないので少し離れた竪町の駐車場に車を停めて改めて鈴木大拙館へ向かう。
さてそもそも鈴木大拙とは何者かと言うと、西田哲学で有名な西田幾太郎と並ぶ石川出身の仏教学者・哲学者であり、金沢にゆかりがある人物。
専門ではないので経歴や思想は各自で調べてもらいたいが、仏教と20世紀初頭のアメリカで芽生えていた新しい哲学の思想を学び、世界に現代に必要となる仏教観、とりわけ禅の精神・本質を世界に発信（英語で発表を行う）し、西洋社会に東洋の仏教観が取り入れらる発端を築いた人物だ。
私は哲学や形而上学、精神世界と言った分野は不得手なので鈴木大拙氏に関心はなかったが、鈴木大拙館は美しい庭園があるとは聞いていたので今回訪問した。
こちらは２１美と違って混んではないかったが、日本よりも海外で哲学者として有名なのか外国人の観光客が多かった。ガイドブックに載っているのかもしれない。
館内はそれほど大きくなく、回廊で結ばれた｢玄関棟｣｢展示棟｣｢思索空間棟｣と｢玄関の庭｣｢水鏡の庭｣｢露地の庭｣によって構成される。
各棟は鈴木大拙の書籍などが置いてあり、鈴木大拙について「知り」「学ぶ」ことが出来る。そして庭を含む建物全体を回遊することで思索を深めることを目的とした、一種の装置となっている。と言っても、そのような禅の境地にひたるだけの感性が無い自分は一番有名な「水鏡の庭」を眺めてその美しさをしばし眺める。
この庭は館背後にある斜面緑地と人工的（直線的）に作られたコンクリートの壁や池がいかにも禅の要素を含んだように感じられる庭。
禅の境地を体現出来る場所として、訪問者の多くも美しい池に集中している。
確かに直線的で無機質なこの庭は京都の禅寺の雰囲気に通じるものがある。訪問時は晴天であったこともあり、池の水面に建物や木々が映り込み美しい風景だった。
結局、「水鏡の庭」が目的だったので滞在時間は短かったが、確かにフォトジェニックンな場所で観光スポットとしては良い場所だと思う。
隣接する松風閣庭園や緑の小径も綺麗な場所で楽しく散策出来るエリアだった。
近くには本田公園や県立美術館などもあり、金沢市民でも観光で来澤した人でも楽しめる場所なので、哲学に興味が無くてもぜひ足を運んでもらいたいと思う。
【鈴木大拙館 水鏡の庭】
【松風閣庭園・緑の小径】
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