新年あけましておめでとうございます。
少し遅い挨拶となりますが、今年も当ブログをよろしくお願いいたします。
さてコロナ禍で迎えた年末年始だったが、皆さんどの様にお過ごしだっただろうか。
毎年実家に帰って両親と五万石千里山荘のお節を食べるのが恒例だったが、今年は両親が高齢なこともあり、自宅で過ごす年始となった。
そのため、今年のお節は黒豆や昆布締め等を少しずつ買って詰め合わせた簡単な物にした。
しかし、年明けの最初の一杯は美味しいお酒を飲みたい。
そう思い秘蔵してあった鹿野酒造の「常きげん 純米大吟醸 百万石乃白」を飲むことに。
「百万石乃白」は石川県が開発した酒造好適米。山田錦に匹敵する吟醸酒向けの酒米として開発されており、百万石乃白で醸造した大吟醸は金沢で迎える新年にピッタリのお酒だろうと勝手に思いながら、詰め合わせたお節をつまみながら飲んでみた。
純米大吟醸なので冷酒にして飲んでみると、さっぱりした甘みと酸味が口に広がる。口当たりは上品な風味だが、喉越しになると上品な風味が豊かでふくよかな甘酸っぱさとなり、軽快なキレにつながる。
純米大吟醸らしいふくよかな風味だが、吟醸香は思ったよりも大人しい。
しかし、昆布締め等の味や風味が濃い肴にも負けない旨味で年明けの酒初めとしては申し分ない大吟醸酒だ。
これまで百万石乃白は神泉や萬歳楽で飲んだが、共通して感じるのは華やかな香りはないもののマイルドな甘みとキレが特徴的であること。山田錦と比較すると芳醇さや妖艶さが足りない感じがする。
柔らかなコクと香り、そして優しい淡麗なキレは吟醸酒や純米酒に向いているが、大吟醸酒にするには香り高さやフルーティーな風味が少し足りない気がする。
醸造方法で風味や香りが変わると思うが、今後は醸造アルコールが添加された大吟醸酒を飲んでみたいと思わせる酒米だ。
今回飲んだ「常きげん 純米大吟醸 百万石乃白」は「穏やかな吟醸香と、まろやかなキレと味わい」が特徴となっているお酒。上品な風味は会席料理や刺身・寿しに合うお酒だと思う。自宅でちょっと高いお刺身を買ってきた日は、この百万石乃白の常きげんで合わせるのもいいのではないだろうか。
石川県が苦心の末に開発した百万石乃白で醸す常きげんの純米大吟醸を、是非味わって欲しい。
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