徳川家から加賀藩前田家に降嫁した珠姫ゆかりの天徳院門前にある手打ち蕎麦屋の「小立庵」。
こちらでは加賀野菜を使った天麩羅や鳥越村の蕎麦粉を使用した手打ち蕎麦が味わえる。
尼寺を改装した店内は座敷に一人用の小机が4人ないし6人分並べて置かれている。法事の会席の様な雰囲気だが、漆黒の小机には金箔の扇があしらってあり、金沢らしい装いになっている。
有名店なので取材や著名人の訪問も多く、座敷内には色紙が多く飾ってある。
昼禅(ランチ)は11時~16時までと長い時間帯で提供しており、「てんぷら禅(税込1,100円)」と「刺身禅(税込1,320円)」が人気のメニュー。
今回は金てんぷら禅が金沢美味クーポンの対象になっていたので、嫁さんと二人でてんぷら禅を注文。蕎麦は温or冷が選べるが、小立庵は量は少なめ為、冷麺にすると一瞬でなくなるので温かい蕎麦にした。
昼過ぎに入店したのでお客さんは3組程。コロナ前はパック旅行者等で大賑わいだったものだが、やはり観光が下火となっている影響も大きそうだ。
そのせいか、注文して5分程で運ばれてくる。
てんぷら禅は蕎麦、黒米が入った庵ごはん、天ぷら、蕎麦の実の佃煮、自家製白ごま豆腐、蕎麦菓子となっている。
蕎麦はあっさりしているが風味が効いた出汁なので、シンプルに美味しい。
蕎麦の実の佃煮は単体でも美味しいが、庵ごはんにかけて食べると旨味が増す。
天婦羅は衣が薄くサクッとしていて美味。揚げたての天婦羅なのもあるが、衣や揚げ加減が上品なので、お蕎麦にもしっかり合う。
ただやはり量が少ないかな…。元尼寺なので腹いっぱい喰らうコンセプトではないのだろう(海老天とかカツ丼もあるので殺生の戒律を破ってはいるが)…と最初は思っていたが、食べ終わると意外にお腹がいっぱい。多分上品に揚げてある天婦羅だがこれくらいが丁度良い脂加減なのかもしれない。いや、やはり年取ったんかな…。
ランチメニュー以外にもカツ丼や天丼、カレー蕎麦、お子様禅等もあるので、子連れでも安心できるお店。
奥の間は庭の桜が見える座敷となっているので、4月にまた来訪して桜と蕎麦を肴に酒でも飲みたいものだ。
観光で来澤した人ももちろんのこと、地元の人でも足を運んでみて欲しい。