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これが元祖富山ブラック! 富山市「西町大喜 大島店」

富山のB級グルメとして有名な「富山ブラックラーメン」。
濃い口の醤油ベースで、スープはもちろんメンマもチャーシューもしょっぱく煮込まれているのが特徴で、ご飯のおかずとして食べるラーメンだ。
2000年くらいからメディアで露出するようになった言葉だが、自分が子供だった頃にはブラックラーメンと言う言葉は聞いたことがなく、無論ブラックラーメンを冠したラーメン屋も富山にはなかった。
その代わり、今で言うブラックラーメンを表す表現としてあったのが「大喜」。
戦後間もなく創業した大喜は、労働者のおかずになるラーメンとして味の濃いラーメンを売り出し、富山市民の胃袋を掴んだ。
自分の父親曰く「中学生の頃に初めて大喜を食べたが衝撃的だった。なぜならスープがほぼ醤油で水を入れて薄めないとしょっぱくて食べれないラーメンだったから」と言うくらいに(50年前以上の記憶なので盛っているかもしれないが)塩辛い醤油スープで、ご飯のおともにピッタリな中毒性の高いラーメンだったのだ。そのため、富山県人は今で言うブラックラーメンを食べに行くときは「大喜行く?」と言うような表現をしていた。
しかし、富山のラーメン界は今は亡き「九頭竜」や「まるたかや」等の屋台から発祥した「中華そば」の人気も高く、長らく「ほぼ醤油のスープである大喜」か「大喜以外の中華そば屋」で人気を二分していた。
そのあまりにも特異な大喜のラーメンは富山県人でも好き嫌いがはっきりと分かれるラーメンで、個人的にも塩味が強すぎて好きではななかった。

そんな大喜だが有名店によくあるお家騒動により、「西町 大喜」と「大喜根塚店」の2系統にお店が分かれている。
「西町 大喜」は創業者のレシピや権利を買い取った会社が母体となっている一方、「大喜根塚店」は創業者の元で修業し暖簾分けされて独立開業した店舗となっており、どちらも自分が本家でもう一方は本家ではないと主張している。
個人的には「大喜根塚店」の方がしょっぱく「西町 大喜」は少しマイルドな印象で、昔の創業者の味を知る人は「西町 大喜」は美味しくなくなったと感じる人もいるようだが、昔の味を知る人も少なくなってきたので、今となってはどちらが本家かということを気にする人もいないだろう。

前置きが長くなったが、先日富山に行った際に久し振りに大喜が食べたくなった。
「西町 大喜」か「大喜根塚店」か迷ったが、マイルド系の「西町 大喜」に行くことに。
「西町 大喜」は富山駅近くに本店があるが、本店以外にも富山市郊外に支店があり、今回お邪魔したのは常願寺川近くにある「大喜 大島店」。本当は本店に行きたかったが駐車場がないので断念し、駐車場が広い大島店にした。

土曜のランチ時間帯前の11時半に入店したが、パチンコ屋の駐車場内に店があるためかすでに満員状態。一人だったのでカウンター席に座れたが12時超えたら並ばないといけなかったかもしれない。
メニューは長らく「中華そば」と「ライス」のみだったが、ミニチャーシュー丼(400円)も置くようになった。
中華そばは、小(いわゆる並盛)が800、大が1,200円、特大が1,600円。
ライスは小が180円、大が280円となっている。
今回はオーソドックスにラーメン小とライス小を注文。合計980円。
普段はラーメンとライスを一緒に食べないが、西町大喜はマイルドな方とは言え濃口醤油ラーメンなので、塩味を和らげるためにライスをトッピングした。

待つこと5分程するとラーメンとライスが到着。
やはり色が濃い…。すでに麺が醤油色に染まり始めている。なお西町大喜は中華そばと銘しているが、大喜は元々チャーシューが多めに入っており、どちらかと言うとチャーシュー麺だ(大喜根塚店はチャーシューラーメンとしている)。
大喜根塚店に比べるとチャーシューは少ない印象だが、こちらの方が肉厚で味が染みていそうだ。
まずはスープだが、確かに色も濃くしょっぱいが、以前の塩辛さはなくライスがなくても食べれる風味になっていた。中太麺はスープを吸って程よくしょっぱくなっており、これならラーメンとして美味しく食べれる。
メンマは塩辛く煮込まれており、こちらはご飯と一緒に食べると美味しい具材。
チャーシューは少し硬めだが脂身も程よく入っており、メンマ程塩辛くもないので、面との相性が良い。チャーシューはパンチが弱いので、メンマと一緒に食べるとよりおいしさが増す。
ラーメン自体は昔に食べたころよりマイルドになっており、箸休めのライスは不要だったが、メンマとチャーシューをおかずに食べると確かにご飯が進む。
初めて大喜を食べる人はライスをセットにすると一度に二度美味しいのでおススメ。
個人的には醤油以外の出汁の味が感じられないスープではあるが、なぜか中毒性があるラーメンで久し振りに食べたこともあってか、美味しく間食できた。

富山観光で食べに来るなら富山駅前の本店がアクセスしやすいが、車を利用するなら郊外店舗の大島店もおススメ。
炭水化物に塩分とメタボ要素しかないラーメン(笑)だが、富山に来た際には「本来の富山ブラック」である大喜に足を運んで欲しい。

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中華そば小(800円) スープが濃い…

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ライス小(280円)もセットに

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麺もすでにスープに染まっている

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基本的にライスと醤油ラーメンのみ。ただメンマとチャーシューで酒の肴として成立してしまう…。塩辛いつまみでビールをクイッとやってからの締めのラーメン…犯罪的な旨さだろうよ…

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生卵でよりマイルドに食べるのもあり

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「西町 大喜」大島店

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